音楽

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サイト運営で、音楽や映画などの著作物を扱うのは著作権の問題があって厄介だ。日本ではJASRAC(日本音楽著作権協会)がつねに監視している。JASRACが管理している楽曲を避けて、著作権が消滅した楽曲を扱うのが無難である。ただし、楽曲の著作権が消滅していても、音源そのものの著作権が切れていないことがある。著作隣接権著作者人格権が 有効な場合があるからだ。

無料音楽配信サイトにあるMP3ファイルは、楽曲の著作権だけでなく、著作隣接権も著作者人格権も時効になったものだと解釈できるが、 音楽サイト制作者とそのサイトにアップした人が、音源のすべてを著作権フリーだということを確認したかどうかは分からない。とくにWikiサイトでは不特 定多数の人が共同で制作しているので確証を得るのは事実上不可能である。ダウンロードして再利用するときは自分で確認するしかない。著作権が有効な楽曲については、JASRACから許諾を得て掲載する。一人年額10,500円で、毎年利用した楽曲の報告が煩雑だ。JASRAC側も事務処理に手間がかかって、徴収するのはいいが赤字になっているようだ。

著作権について

著作権は知的財産権(特許権・商標権・意匠権・実用新案権などの産業財産権と著作権)のひとつで、小説・映画・音楽・ソフトウェア(コンピュータ・プログラム)などの創作者の権利を保護する法律で定められている。著作権に加えて「著作隣接権」という権利がある。この著作隣接権が厄介で、著作物を世の中に伝達する役割を担う実演家(歌手・演奏者)、レコード製作者(レコード会社など)、放送事業者、有線放送事業者の権利を保護している。

日本ではJASRACが楽曲の著作権(の中の財産権)を管理しており、200万曲以上が登録されている。管理楽曲かどうかはウェブで検索して調べることができる。

著作権とひとことでいうが、複製権、演奏権、上映権、頒布権、貸与権などいろんな権利が含まれている。先ず、著作物の財産的価値を保護する「財産権としての著作権」と著作者の人格的な利益を保護する「著作者人格権」 に分かれる。JASRACによれば、「著作者人格権とは自分の創作した著作物を勝手に変えられたり、公表されたりするのを防ぐことができる権利で、この権 利は他人に譲ることのできない本人だけが持つ権利である。したがって、JASRACで管理しているのも、作詞家・作曲家・音楽出版者などから委託を受けた 「財産権としての著作権」である」としている。つまり、JASRACは営利目的の再利用、再販を監視しているということだ。

音楽の掲載と配信

JASRACホームページでは、「市販CDを音源としてインターネットのホームページにアップロードするような場合には、著作権者(JASRACの 管理作品であればJASRAC)の許諾と同時に著作隣接権者の許諾が必要です。」との記載があるが、個人がすべての権利者の許諾を得ることは事実上不可能 である。また著作権侵害に当たる行為かどうかを個人が判断することも困難である。

ほとんどのインターネット利用者は、著作権とはどんなものかを知らずに利用しているといってよいだろう。、「私的使用のための複製」は著作権法で認 められているので、外部の記憶装置であるサーバに個人的に複製して、私的に使用することは著作権違反にならないと解釈できる。「私的使用」の解釈も厄介だ が、友人との間でCDやDVDを貸し借りすることは認められているので、クラウドにある著作物を限られた友人との間で共有することも認められていると解釈できる。音楽のアップロードは複製権と公衆送信権、音楽配信は送信可能化権を含む公衆送信権という権利の保護が絡んでくる。

演奏権・公衆送信権違反の例

過去に、東京都のスナック経営者が、生演奏を売りにしながらも、著作権料を支払っていなかったので、著作権違反の疑いで刑事告訴され逮捕された例が ある。著作権法第38条の『入場料をとらない』、『営利目的ではない』、『出演者が報酬をもらわない』の条件を満たす場合は著作権違反にならないが、同ス ナック経営者はそのすべてに違反していたということだ。アメリカでは、大量のCDをホームページに掲載していた主婦が著作権違反の罪に問われた例もある。 この場合は、著作隣接権・著作者人格権の侵害もしくは公衆送信権が問題視されたのかもしれない。米国著作権法の「公衆送信権」の保護の詳細は知らないので 判断できない。

 

無料MP3/MIDIファイルの入手と利用

ダウンロードしてブログやHPに掲載したり、BGMとして利用できるMP3/MIDIファイルを配信しているサイトがいくつかある。対象となる楽曲は当然のことながら、財産としての著作権(複製・頒布など)、著作隣接権(演奏・上映など)、著作者人格権すべてが消滅しているものに限る。著作権の説明がないサイトからダウンロードして利用するときは特に注意が必要である。胡散臭いサイトもあるからだ。

  • クラシック名曲サウンドライブラリ
    http://www.voiceblog.jp/andotowa/
    楽曲は著作権消滅曲で、上記サイトで無料配信している。すべて完全無料フリー素材で、ブログやHP、YouTube、ゲーム、番組BGMなどに自由に使え る。そのための編集、加工も許可されている。著作権はhttp://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/準 拠になっている。楽曲以外の著作権(隣接権や人格権)については制作担当者email: andotowa@9.quu.ccに確認したほうがいい。
    ※ブログ形式でやたらと広告が多いので紛らわしい。Babylonなどのソフトを不用意にダウンロードしないように注意。同時にインストールされないようにチェックをはずす。
     
  • Classical Music mp3 flac Free Download Historical Recordings Public Domain
    http://classicalmusicmp3freedownload.com/ クラシック音楽mp3無料ダウンロード 著作権切れ、パブリックドメインの歴史的音源
    19世紀以前のクラシック楽曲は、作曲者の死後50年が経っているのですべてパブリックドメイン(著作権フリー)になっている。これらの演奏を録音 したテープ(歴史的音源)を変換したmp3ファイルが、作曲者別に掲載されている。50年以上前に録音されたものばかりだが、音質にこだわらなければ BGMに無料で利用できる。
     
  • 童謡・唱歌の世界
    http://www5b.biglobe.ne.jp/~pst/douyou-syouka/
    2001年頃にBiglobeに掲載されたMIDIダウンロードサイトの発展系(URL変更)で、数年前から音質の良いMP3のダウンロードもできるようになった。著作権消滅曲だけを掲載しており、だれでも無料でダウンロードしサイトやメールのBGMに再利用できる。著作権フリーになった歌詞も掲載されている。画像は市販の画像集を使っているのでサイト制作者に著作権はない。画像の再利用は違法になるが、サイト掲載の歌詞は他のサイトに転載できる。リンクもフリーで連絡不要である。詳しくはこちらに書いてある。
     
  • Wikipediaなどのサイト
    Creative Commons準拠のファイルは一定条件の下で複製、頒布、展示、実演することができる。
    たとえばモーツアルトの項には何本かのファイルが掲載されており自由にダウンロードして利用できる。WikiではMP3ではなく、Ogg Vorbis音声ファイルが標準になっている。

 

音楽配信の個人サイト(著作権・所在不明サイトあり)

 個人でJASRAC許諾を得ている人もいるが年間1万円の個人負担は大きい。JASRAC側の事務処理も大変で、徴収するのはいいが赤字になっている。